娘が保育園に通い始めて、半年が経ったころのことです。
普段、平日の朝の保育園送迎は妻が担当しています。(僕は出勤時間が早いので、家を先に出てしまうので…)。でも、ある春の朝、その日は僕が休みを取って、妻と娘と3人で保育園に向かうことになりました。
正確には「妻と一緒に」歩いたわけじゃありません。妻が娘の手を引き、僕は少し後ろを歩く形でした。
その20分の道のりで、僕はたくさんのことに気づきました。
普段、自分が娘を保育園に送るとき(土曜の一時保育や、妻の出張時などに僕が送ることがあります)と、妻のやり方が、こんなに違うんだ——。後ろからずっと観察して、「なるほどなあ」と何度も思った1日でした。
今日は、そのとき気づいた**ママとパパの送迎の4つの違い**を、僕の目線から書き残しておこうと思います。
違い① 家を出る時間が、ぜんぜん違う
まず驚いたのが、妻の家を出る時間でした。
その日、妻は8時に「いってきます」と玄関を出ました。保育園までは大人の足で12〜13分。8時20分には保育園に着くペースです。
一方、僕が送るとき。たぶん、家を出るのは8時10分くらい。「少し早く歩けば間に合うでしょ」って計算で動いている。
10分の差です。
でも、この10分の余裕が大きい。妻が娘と歩いていると、途中で立ち止まって花を見たり、「今日のお空、青いね」と話しかけたり、保育園の前で先生と少し雑談したり。10分の余白に、たくさんの小さなコミュニケーションが詰め込まれていたんです。
僕の送迎は「効率重視」。最短距離・最短時間。途中で娘が立ち止まろうとすると、つい「行こう、行こう」と急かしてしまう。10分の差というより、10分の”気持ちの余裕”の差なんだなと、後ろから見ていて思いました。
違い② 持ち物の確認方法
2つ目の違いは、保育園バッグの中身チェックの仕方です。
玄関を出る前、妻は娘に話しかけながら指差しでチェックをしていました。
「今日はおむつ4枚ね。連絡帳入れたよ。お着替えこれね。タオルこっちね。コップ忘れてない?うんOK」
声に出して、娘に説明しながら、テンポよく確認していく。娘も「うん」「うん」とうなずいている。
一方、僕が送るときは、無言でバッグを開けて、自分の頭の中だけでチェックリストを回します。
これって、効率だけ見ると僕のやり方のほうが速いんです。でも、妻のやり方を見ていて気づいたのは、「娘も自分の持ち物を把握できる」という効果でした。
毎朝、声に出して説明されることで、娘は「自分の持ち物リスト」を耳から覚えていく。実際、最近娘が「コップ、入れた?」とバッグを指差して聞いてきたことがあって、ああ、これは妻の朝のルーティンが効いているんだな、とわかりました。
違い③ 道中の会話の中身
3つ目は、歩きながらの会話の内容です。
その日、妻と娘の歩いている後ろから、ずっと2人の会話を聞いていました。
「今日はお散歩あるかな?」「お友達の◯◯ちゃん、今日もくる?」「給食、何かなー」
妻はずっと、その日の保育園での予定を娘に話しかけていました。娘の頭の中で、その日のイメージを少しずつ作ってあげている感じ。
僕が送るときの会話を思い返すと、こうです。
「今日も天気いいねー」「あ、車来た、止まって」「もうすぐ着くよー」
……うん、なんというか、僕は完全に「移動中の声かけ」しかしていません。今日この日のことを娘と一緒に想像する、という発想がなかった。
妻のやり方を見て、「送迎は、移動じゃなくて、1日の入口」なんだと教えてもらった気がします。
違い④ 先生との別れ方
4つ目の違いは、保育園に着いてからの動きです。
妻はクラスの先生に娘を預けるとき、必ず娘とちょっとしたやりとりをしていました。
「行ってらっしゃい、楽しんできてね」と声をかけて、しゃがんで目線を合わせて、ハグをして、「お迎えで会おうね」と言って、笑顔で手を振る。先生にも「昨日の夜、ちょっと熱っぽかったので、午前中だけ様子見てもらえますか」と詳細に伝えていました。
このやり取りに、たぶん3〜4分かけている。
僕が送るときは、玄関で「いってらっしゃい」と娘の頭を撫でて、先生に「お願いします」と言って、終わり。たぶん30秒もかかっていません。
これも、効率重視で見れば僕のほうが速い。でも、妻の3分の儀式は、娘にとって「ママと別れる、保育園が始まる、気持ちを切り替える」という大事な時間だったのかもしれない、と気づきました。
どっちが正しいわけじゃない、たぶん
その日の帰り道、僕は1人で家まで歩いて帰りながら、ずっと考えていました。
妻のやり方は丁寧で、娘との関係を深めるリズムが組み込まれていて、本当にすごいなと思った。一方で、僕のやり方は、そっけないけど効率的で、娘も「パパは早足」と認識しているみたい。
でも、たぶん、どちらが正しいということじゃないんですよね。
娘には、ゆっくり丁寧に話しかけてくれるママと、テキパキと一緒に歩くパパと、両方がいる。それでいいんだと思います。違うやり方をする2人がいるからこそ、娘は色んな引き出しを増やしていける。
ただ、ひとつ、その日から僕が変えたことがあります。
朝、娘を送るとき、家を出る時間を5分だけ早めるようになりました。10分は無理でも、5分なら確保できる。その5分で、娘が立ち止まって何かを指差したら、ちゃんと一緒に立ち止まる。それくらいの余裕は、パパにも持てるようにしたいと思ったんです。
もし、これを読んでくれているパパで、「自分の送迎、効率重視になりすぎてるかも」と思った方がいたら。
たまに、ママと一緒に保育園まで歩いてみてください。後ろからでいいから。たぶん、僕と同じように、いろんなことに気づけるはずです。それが、夫婦の小さな発見になります。

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